そもそもレースを見ていて選手たちは携帯食、栄養補給食の包み紙などをどうしているのかと気になった方もいたのではないだろうか。ボトルなどは沿道のファンが記念に持って帰るために、あえて人のいるところに投げる事が多いが、包み紙などは記念品にもならずに、捨てられれば単にゴミになってしまうのだ。このことは以前から問題となっており、レースによっては捨ててもよい区間(回収の手間暇を考慮し決まっている)、または捨てた場合には罰金が課されるなど対策が講じられているレースもある。各チームにはなるべく捨てないようにして欲しいという通達が出ているが、その辺りは徹底されていないのが現状だ。
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レース後の栄養補給食のゴミの山 |
現状で包み紙などは自然環境で分解されない物が多く、またひと気の少ない所では、レースの都度ゴミを回収する人間を用意する人件費(レースが数百キロに及ぶため)の確保は困難であり非現実的なので、やはりゴミをなるべく出さないようにするのが一番であることは間違いない。選手はそもそもレースジャージ後部にポケットを持っており、サコッシュで受け取った補給食をそこへ入れている。そうなれば当然食後の包み紙や袋などのゴミをそのポケットに入れるのが一番良いのではとシンプルに思ってしまう。
しかし選手からすれば「食べたものとそうでないものとが混ざる」、「手がべたつく(甘いものが多いため)」などと気になる点があるようだ。とはいえやはり誰かが自分の玄関先や家の近所の道路にゴミを捨てていけば当然気分が良いわけがない。レースを催した上で、ゴミポイ捨て問題を解決するのであれば、やはり競技者側が捨てることを自制するのがベストと言わざるをえないだろう。
今回調査の対象となっているのは、選手全員ではなく、終盤の目立つ場面でテレビに写っていた選手たちだ。やはりその影響力が大きいとして、人数を絞った上での取り調べとなっている。環境団体(地域の景観を守る慈善団体)の訴えが発端であり、やり過ぎではとの声もあるが、やはりこうした問題提起がされない限りは真剣に対策が講じられないのも現実だ。
今回選手の出走停止という話は行き過ぎだと思うが、こういったことを教訓に各チームも選手教育を徹底していくきっかけにしてほしい。”最もゴミを生み出すスポーツ”と揶揄されることもあるサイクルロードレース、その未来を語る上でゴミのポイ捨ては避けては通れない”道”だろう。
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