2013年5月5日日曜日

ジロ・デ・イタリア2013第1ステージ ナポリで開幕した3週間の長き戦い スプリントを制したカヴェンディッシュが最初のマリア・ローザを獲得

今年最初のグランツールとなる、第96回ジロ・デ・イタリアが5月4日に開幕した。50年ぶりのナポリでの開幕となった第1ステージは、130kmの短い距離で争われ、落車やトラブルが多発する中、最後はスプリント勝負に。前評判が最も高かったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が2時間58分38秒で制し、今大会最初のマリア・ローザ着用者となった。
サインに向かう選手たち
ジロの開幕は個人またはチームタイムトライアルが設けられることが多いが、今大会は9年ぶりにマスドスタートに。前半に4級山岳を2ヵ所含む周回を4周、中盤からゴールにかけてはナポリ湾沿いの平坦路を8周する。
単独で逃げ続けたワーフ
23チーム、合計207名がスタートし、ファーストアタックを決めたのはキャメロン・ワーフ(オーストラリア、キャノンデール)。まもなくジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)が合流し、さらに5選手の追走集団も追いついて、スタートして20kmほどで7名の逃げ集団が形成された。

 23.3km地点に設けられた最初の4級山岳は、ヴィスコンティが獲得。続く39.6km地点の4級山岳はワーフが獲得。これによりヴィスコンティとワーフ、2回ともに下位通過したギヨーム・ボナフォン(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアル)の3名が山岳ポイントで並んだ。

 ワーフは2つ目の山岳ポイントの手前で抜け出し、こんどは独走に。メーン集団に対し、一時は2分前後の差で先行したが、ゴールまで残り50kmで1分半、残り40kmで1分と徐々にリードを減らす。105.7km地点の中間スプリントポイントはトップ通過したものの、残り20kmでメーン集団に吸収された。
プロトンの先頭に立つ中国のジ・チェン(アルゴス・シマノ)
落車した後にドクターから治療を受けながら走るピション
一方、メーン集団では、石畳や細かい穴など、荒れた路面により落車やトラブルが次々と発生。35km過ぎにローラン・ピション(フランス、エフデジ)が、50km過ぎには複数選手が絡み、パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)やダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、ランプレ・メリダ)が地面に叩きつけられる場面も。いずれの選手もレースに復帰し、集団へと戻っている。
海沿いを走るプロトン
残り2周回となり、メイン集団はスプリント体制に。カヴェンディッシュ擁するオメガファーマ・クイックステップ、ロベルト・フェラーリ(イタリア)で勝利を狙うランプレ、さらには総合優勝候補であるブラッドリー・ウィギンス(イギリス)の危険回避のためにスカイも先頭に立って集団をコントロールした。残り1周になると、グリーンエッジや地元のキャノンデールも加わり、集団前方は混沌とした情勢に。

そんな中、残り2kmでまたも落車が発生。これにより、トラブルを回避できた10名程度でのゴールスプリントに持ち込まれた。アシストから発射されたマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が先行するも、大外からかわしたのはカヴェンディッシュ。エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)、ナセル・ブアニ(フランス、エフデジ)らが追いすがるも届かず、カヴェンディッシュがステージ優勝とマリア・ローザを獲得した。
ゴールスプリントを制したカヴェンディッシュ
マリア・ローザを着たカヴェンディシュ
遅れてゴールした大多数の選手は、ゴール前3km以内の落車が原因だったことから、トップと同タイムの救済措置を受けた。第2ステージは、イスキア島での17.4kmのチームタイムトライアル。チーム力が試されると同時に、総合優勝候補を抱えるチームの走りに注目が集まる。

第1ステージ結果
Pos.RiderTeamWTPntTime
1 マーク・カヴェンディッシュOmega Pharma - Quick-Step16802:58:38
2 エリア・ヴィヴィアーニCannondale Pro Cycling Team850,,
3 ナセル・ブアニEquipe Cycliste FDJ435,,
4 ジャコモ・ニッツォロRadioShack - Leopard225,,
5 マシュー・ゴスOrica GreenEDGE118,,
6 フランシスコホセ・ベントソMovistar Team15,,
7 アダム・ブライスBMC Racing Team12,,
8 リー・ハワードOrica GreenEDGE10,,
9 ダニーロ・ホンドRadioShack - Leopard8,,
10 ブレット・ランカスターOrica GreenEDGE6,,
11 ジョン・デゲンコルブTeam Argos - Shimano5,,
12 ルーカ・パオリーニKatusha Team4,,
13 イオアンニス・タモウリディスEuskaltel - Euskadi3,,
14 ディエゴ・ローザAndroni - Venezuela2,,
15 ラムナス・ナヴァルダウスカスGarmin - Sharp1,,
16 ロベルト・フェラーリLampre - Merida,,
17 ロバート・ハンターGarmin - Sharp,,
18 タネル・カンゲルトAstana Pro Team,,
19 マルコ・マルカートVacansoleil - DCM,,
20 アンドリー・ゼイツAstana Pro Team,,
193 ジ・チェンTeam Argos - Shimano2:38

個人総合(マリア・ローザ)
Pos.RiderTeamTime
1 マーク・カヴェンディッシュOmega Pharma - Quick-Step2:58:18
2 エリア・ヴィヴィアーニCannondale Pro Cycling Team0:08
3 ナセル・ブアニEquipe Cycliste FDJ0:12
4 ダニーロ・ホンドRadioShack - Leopard0:16
5 マルコ・マルカートVacansoleil - DCM0:18
6 ジャコモ・ニッツォロRadioShack - Leopard0:20
7 マシュー・ゴスOrica GreenEDGE,,
8 フランシスコホセ・ベントソ Movistar Team,,
9 アダム・ブライスBMC Racing Team,,
10 リー・ハワードOrica GreenEDGE,,

ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)
Pos.RiderTeamPnt
1 マーク・カヴェンディッシュOmega Pharma - Quick-Step28
2 エリア・ヴィヴィアーニCannondale Pro Cycling Team20
3 ナセル・ブアニEquipe Cycliste FDJ16
4 ジャコモ・ニッツォロRadioShack - Leopard14
5 ダニーロ・ホンドRadioShack - Leopard13
6 マシュー・ゴスOrica GreenEDGE12
7 フランシスコホセ・ベントソ Movistar Team10
8 アダム・ブライスBMC Racing Team9
9 キャメロン・ワーフCannondale Pro Cycling Team8
10 リー・ハワードOrica GreenEDGE8
11 ブレット・ランカスターOrica GreenEDGE6
12 ジョン・デゲンコルブTeam Argos - Shimano5
13 マルコ・マルカートVacansoleil - DCM4
14 ルーカ・パオリーニKatusha Team4
15 イオアンニス・タモウリディスEuskaltel - Euskadi3
16 ディエゴ・ローザAndroni - Venezuela2
17 ジュリアン・フェルモーテOmega Pharma - Quick-Step2
18 ラムナス・ナヴァルダウスカスGarmin - Sharp1
19 クリスチャン・クネースSky Procycling1

山岳賞(マリア・アッズーラ)
Pos.RiderTeamPnt
1 ジョヴァンニ・ヴィスコンティMovistar Team3
2 キャメロン・ワーフCannondale Pro Cycling Team3
3 ギヨーム・ボナフォンAG2R La Mondiale3
4 マルコ・キャノーラBardiani Valvole - CSF Inox2
5 マーティン・ケイゼルVacansoleil - DCM1

新人賞(マイヨブラン)
Pos.RiderTeamTime
1 エリア・ヴィヴィアーニCannondale Pro Cycling Team2:58:26
2 ナセル・ブアニEquipe Cycliste FDJ0:04
3 ジャコモ・ニッツォロRadioShack - Leopard0:12


チーム総合
Pos.TeamTime
1 オリカ・グリーンエッジ8:55:54

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