2013年7月5日金曜日

ジャパンカップ2013出場チーム発表 サクソ・ティンコフ、ガーミン、ランプレの出場決定 史上最多7つのUCIプロチームが揃う

10月19日から20日まで栃木県宇都宮で開催されるジャパンカップ(UCI1.HC)の出場チームが続々と発表されている。すでに発表済みのスカイプロサイクリング、レディオシャック・レオパード、オメガファルマ・クイックステップ、キャノンデールプロサイクリングの4チームに加え、今回サクソ・ティンコフとガーミン・シャープ、ランプレ・メリダの出場が発表された。
サクソ・ティンコフ フォト:Kei Tsuji
7月4日、ジャパンカップ実行委員会がサクソ・ティンコフとガーミン・シャープ、ランプレ・メリダとの出場交渉に成功したと発表した。どのチームもジャパンカップに出場経験のあるチームだ。
新たに出場が決まったサクソ・ティンコフは、昨年のブエルタで総合優勝したアルベルト・コンタドール(スペイン)をエースに立てるデンマークチーム。デンマークの投資銀行サクソバンクとロシアの銀行ティンコフバンクがスポンサーにつく。チームを率いるのは名将と名高く1996年のツールでは自身が総合優勝したビャルヌ・リース監督(デンマーク)で、グランツールでの総合優勝経験もジロ、ツール、ブエルタと豊富。2010年にはUCIワールドツアーランキングの首位に輝いている。宮澤崇史がチームで選手として走っている他、マッサーとして中野喜文氏と宮島正典氏がチームに携わっている。
ガーミン・シャープ フォト:Unipublic
ガーミン・シャープはアメリカの元プロ選手ジョナサン・ヴォーターズが代表を務めるアメリカチームで、スポンサーはGPSメーカーでサイクルコンピュータやカーナビを作っているガーミンと総合家電メーカーのシャープ。2010年のジャパンカップでダニエル・マーティン(アイルランド)を優勝に導いたことが記憶に新しい。昨年ライダー・ヘシェダル(カナダ)がジロ・デ・イタリア総合優勝を果たしている。
ランプレ・メリダ フォト:Kei Tsuji
ランプレ・メリダはおそらく日本で最も馴染みの深いUCIプロチーム。金属加工会社のランプレと台湾バイクメーカー、メリダがスポンサー。2005年と2008年にジャパンカップで優勝している「ピッコロプリンチペ(小さな王子)」ことダミアーノ・クネゴ(イタリア)がエースで、2007年大会の覇者マヌエーレ・モーリ(イタリア)も所属。今年TOJ(ツアー・オブ・ジャパン)にも出場している。

これら3チームの出場決定により、ジャパンカップ出場するUCIプロチームは過去最多の合計7チームに。UCIコンチネンタルチームとしては、ジェリーベリーサイクリングチームとアモーレ・エ・ヴィータがすでに出場を決めている。例年以上に熱い闘いが繰り広げられることになるだろう。

ジャパンカップ2013に出場するUCIプロチーム
スカイプロサイクリング
レディオシャック・レオパード
オメガファルマ・クイックステップ
キャノンデールプロサイクリング
サクソ・ティンコフ
ガーミン・シャープ
ランプレ・メリダ

選手情報 レディオシャックが出場停止処分明けのフランク・シュレクと再契約せず

7月5日、レディオシャック・レオパードはプレスリリースにて、現在12ヶ月間の謹慎処分中であるフランク・シュレク(ルクセンブルク)と再契約を行なわないとの声明を発表した。これによりフランクは現チームでのレース復帰が不可能となる。
フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード、写真はジロ・デ・イタリア2012) フォト:Kei Tsuji
2012年のツール・ド・フランス期間中、尿サンプルから利尿促進剤キシパミドが検出されたフランク・シュレク。レディオシャック・レオパードは7月5日付けのプレスリリースにおいて、7月14日にサスペンド期間が終了するフランクとの関係を維持しない旨を発表した。

先日までレディオシャック・レオパードの公式サイトにはフランク・シュレクの顔写真が残っていたが、現在では取り除かれている。プレスリリース内には「広範かつ客観的な方法を持ってこの決定に至った」「レオパードは彼のキャリアが引き続き成功していくことを願っている」と記載されている。

フランクは現在33歳。この先所属チームを探しを強いられることとなる。

選手情報

フランク・シュレク
選手名
フランク・シュレク Frank Schleck

生年月日
1980年4月15日

国籍
ルクセンブルク

チーム
エリート2

身長
186cm

体重
65kg

過去のチーム
2013 レディオシャック・レオパード(7月4日まで)
2012 レディオシャック・ニッサン
2011 レオパード・トレック
2010 サクソバンク
2009 サクソバンク
2008 CSC・サクソバンク
2007 CSC
2006 CSC
2005 CSC
2004 CSC
2003 CSC
2002 CSC・ティスカリ(トレーニー)
2002 UCシャトールー
2001 フェスティナ(トレーニー)
2000 デ・ナルディ

主な成績

2012
ルクセンブルク選手権ロードエリート 3位
ツール・ド・スイス 総合2位
ツール・ド・ルクセンブルク 総合3位
リエージュ~バストーニュ~リエージュ 23位
フレーシュ・ワロンヌ 20位
アムステルゴールドレース 12位
ブエルタ・シクリスタ・アル・パイスバスコ(バスク一周) 総合24位
パリ~ニース 総合24位
ブエルタ・ア・アンダルシア 総合7位

2011
USA・プロ・サイクリング・チャレンジ 総合12位
クラシカ・サンセバスティアン 6位
ツール・ド・フランス 総合3位
ルクセンブルク選手権ロードエリート 優勝
ツール・ド・スイス 総合7位
ツール・ド・ルクセンブルク 総合21位
リエージュ~バストーニュ~リエージュ 2位
フレーシュ・ワロンヌ 7位
アムステルゴールドレース 22位
ブエルタ・シクリスタ・アル・パイスバスコ(バスク一周) 総合16位
クリテリウム・アンテルナシオナル 総合優勝 第1ステージ優勝
ブエルタ・ア・アンダルシア 総合13位

2010
世界選手権ロードエリート 16位
ブエルタ・ア・エスパーニャ 総合5位
ツール・ド・スイス 総合優勝 第2ステージ優勝
ツール・ド・ルクセンブルク 総合2位 第2ステージ優勝
リエージュ~バストーニュ~リエージュ 8位
アムステルゴールドレース 7位
クラシカ・プリマベーラ 3位
ボルタ・シクリスタ・カタルーニャ(カタルーニャ一周) 総合22位
パリ~ニース 総合15位
ブエルタ・アンダルシア 総合13位

2009
ツール・ド・フランス 総合4位 第17ステージ優勝
ツール・ド・ルクセンブルク 総合優勝 第4ステージ優勝
リエージュ~バストーニュ~リエージュ 23位
クラシカ・プリマベーラ 11位
クリテリウム・アンテルナシオナル 総合13位
パリ~ニース 総合2位
ツアー・オブ・カリフォルニア 総合12位 第9ステージ優勝

2008
世界選手権ロードエリート 41位
オリンピックロード 43位
ツール・ド・フランス 総合6位 マイヨ・ジョーヌ着用2日
ツール・ド・ルクセンブルク 総合3位
リエージュ~バストーニュ~リエージュ 3位
アムステルゴールドレース 2位
クラシカ・プリマベーラ 17位
ブエルタ・シクリスタ・アル・パイスバスコ 総合10位
クリテリウム・アンテルナシオナル 総合6位
ツール・デュ・オー・ヴァル 10位

2013年7月4日木曜日

ツール・ド・フランス2013 第5ステージ 選手コメント カヴ「チームに報いることができた」新城幸也「残念。最後は調子が良かった」

新城幸也(ユーロップカー)が逃げを見せたこの日、集団スプリントで勝利したのはイギリスチャンピオンのマーク・カヴェンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ)。「チームの働きに報いることができて嬉しい」と、アシストへの感謝をコメントした。

ツール通算24勝目を挙げたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)
ライバルを振り切ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) フォト:Cor Vos
これでプレッシャーがなくなった。ようやくツール・ド・フランスでステージ優勝できた。昨日の第4ステージでも勝てればよかったのだけど。だからといって、このツールでステージ1勝することを見くびっているわけではない。毎年、ぼくたちはあらゆる犠牲を払ってツールに打ち込んでいる。チーム全体もそうやって作られている。
チームメイトと健闘を称え合うマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) フォト:Cor.Vos
今日はミハル・クウィアトコウスキー(ポーランド)の素晴らしい仕事のおかげで勝てた。彼が新人賞を獲得していて、その後押しもあって、ぼくたちは今日のスプリントにすべてを注ぎ込むことができた。みんなで勝利を掴めたことに満足している。

今日は感激はしていない。でも、チームメイトたちは献身的だった。終盤だけじゃくて、一日中ずっとだ。これに報いることができたほうが重要だ。チームメイトたちは、その走りでモチベーションを示してくれた。いつも言ってるように、そういう態度が特別なものを生み出してくれる。

ヘルト・ステーグマンス(ベルギー)の走りも良かったよね? 実際、ぼくは今日はなにもしてない。あれでスプリントで負けたら、本当に彼らに申し訳がない。それくらい素晴らしかった。チームメイトたちは今日は一日中ずっと一緒にいてくれた。ぼくはステーグマンスの後ろにいたので、ずっと向かい風を感じることもなかった。

ステーグマンスとは最後の山岳でも一緒にいて、終盤にチームメイトたちに逃げグループを捉まえてもらう必要があった。彼は穏やかなままで、スピードは乗っていたけど、加速しなくても後ろについていけた。残り250mまでは、彼のペースについていっただけだ。本当にとてもうれしい。これこそが、オメガファルマ・クイックステップに移籍した理由だ。レースに出てステージで優勝する。今日はそれをやった。

総合1位のサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チームメイトに守られて走るサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) フォト:A.S.O.
ゴールのときは集団前方付近にいた。正確な位置はわからない——たぶん、集団の第2集団みたいになっているどこかにいたのだと思う。集団の前方にいるのはトラブル回避のためにも重要だ。
表彰台で笑顔を見せるサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) フォト:Cor.Vos
まだ夢は続いている。もう1日、マイヨ・ジョーヌを着ることができる。今日は手強いステージだった。一日中ずっと狭い道で、向かい風だった。でも、今日もまた素晴らしいチームワークのおかげで、次のステージもマイヨ・ジョーヌを着られることになった。

このチームには満足している。たしかに、チームのなかには、チームのためにジャージをキープするのが主な役割となってしまった選手もいる。ぼくは、このチームなら、これから数日間のステージでも予想以上の結果を出せると思っている。

自分の背後で落車が発生したにちがいないとは感じた。直接見てはなかったけど、終盤はとても混戦模様になっていたから。ステージの終盤にはいくつかの落車があった。わずかながら神経質になっている選手もいるし、ほとんどの選手は位置取り争いも激しかったから。今日はタフなステージだった。

逃げ集団も強かったので、最初から大きな差がついてしまった。チームメイトの何人かがしっかり走ってコントロールしたおかげで、ようやくステージの後半で一息つくことができた。

ポイント賞・ステージ3位のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
ポイント賞リーダーのペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) フォト:A.S.O.
自分の感覚はまだ本調子じゃない。でも、中間スプリントや最後のスプリントでの走りには満足できた。日を追いながら、調子を確かめるつもりだ。今日はまさにスプリンターとくにピュア・スプリンターのためのステージだった。

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)に数ポイントほど負けてしまったけど、それでもかまわない。大切なのは大負けしないことだ。カヴェンディッシュは世界最速の選手で、彼に勝つのは不可能に近い。

敢闘賞のトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
ファーストアタックを決め敢闘賞を獲得したトーマス・デヘント(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) フォト:A.S.O.
新聞などのメディアでは、今日はスプリンターの日と言われていたけど、自分なりにコースガイドでプロフィールを詳しく調べてみると、実際にはとてもタフなステージになりそうなことと、自分がよく知っているグランプリ・ラ・マルセイエーズ(毎年2月に開催されるUCIレース)に似ていることがわかった。

最後の40kmはあまり平坦ではなかったので、アーリーアタックが最終的に実を結ぶだけのチャンスもあったはずだった。最終的に220kmを走ってきて、全部がうまく行ったとは感じてなかった。でも、最後まで挑戦はした。集団に吸収されてしまったのは不名誉だと思う……でも、それは挑戦しなければ、わからないことだ。

217kmを逃げて、惜しくも吸収された新城幸也(日本、ユーロップカー)
J SPORTSの電話インタビューに応える新城幸也(ユーロップカー) フォト:Makoto.Ayano
残念でしたね。ほんとに。挑戦してみたんですけどね。
逃げ集団の中で走る新城幸也(ユーロップカー) フォト:Makoto.Ayano
アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)のアタックを追わなかったことについて
チームメイトのケヴィン・レザ(フランス)が追ったのでぼくが追う必要もないし、正直、頂上で30秒切ってるって言われたんで、あぁ難しいかなと思ったんで。2人でまわるより4人でまわったほうが、もしかしたらギリギリ、ゴール近くまでいけたかもしれませんね。

200km近くを逃げたことについて
もっといい方法が他にもあったと思うんですけど、今日はできるだけのことはしたつもりではあります。でも、悔しいですね。最後までたどりつけなかったのは。前半はきつかったんですけど、後半に徐々にエンジンがかかってきて、最後は調子よかったです。

チームのオーダーについて
ミーティングでぼくとケビンが逃げに乗ることになったんです。1人でもよかったんですけど、まあ2人になったんで、なおさらよしってことで。

ステージ優勝は遠くないのでは?
がんばります。ちょっと(ステージ優勝は)意識してましたけどね、最後の山岳賞(ポイントを)超えるあたりでは。

選手紹介

マーク・カヴェンディッシュ
選手名
マークサイモン・カヴェンディッシュ Mark Simon Cavendish

生年月日
1985年5月21日

国籍
イギリス(マン島)

チーム
オメガファルマ・クイックステップ

身長
175cm

体重
60kg

過去のツール成績
2013 区間1勝(ステージ5)
2012 総合142位 区間3勝(ステージ2,18,20)
2011 総合129位 ポイント賞 区間5勝(ステージ5,7,11,15,21)
2010 総合153位 区間5勝(ステージ5,6,11,18,20)
2009 総合130位 区間5勝(ステージ2,3,10,11,19)
2008 リタイア 区間4勝(ステージ5,8,12,13)
2007 リタイア

過去のチーム
2013 オメガファルマ・クイックステップ
2012 スカイプロサイクリング
2011 HTC・ハイロード
2010 HTC・コロンビア
2009 コロンビア・HTC
2008 コロンビア
2007 Tモバイル
2006 Tモバイル

過去の主な成績
2013
イギリス選手権ロード優勝、ZLMツール総合3位、ジロ・デ・イタリア区間5勝 ポイント賞、シュヘルデプライス2位、ミラノ~サンレモ9位、ティレーノ~アドリアティコ区間1勝、西フラーンデレン3日間レース総合6位、ツアー・オブ・カタール総合優勝 区間4勝 ポイント賞、ツール・ド・サンルイス区間1勝

2012
ツアー・オブ・ブリテン区間3勝、デンマーク一周区間1勝、ZLMツール総合優勝、ジロ・デ・イタリア区間3勝、ティレーノ~アドリアティコ区間1勝、クールネ~ブリュッセル~クールネ優勝、ツアー・オブ・カタール総合6位 区間2勝

2011
世界選手権ロード優勝、ツアー・オブ・ブリテン総合13位 区間2勝、ロンドン・サリーサイクルクラシック優勝、ジロ・デ・イタリア区間2勝、シュヘルデプライス優勝、ツアー・オブ・オマーン区間1勝

2010
コモンウェルスゲームズ7位、ブエルタ・ア・エスパーニャ区間4勝 ポイント賞、コッパ・ベルノッキ3位、ツアー・オブ・カリフォルニア区間1勝、ツール・ド・ロマンディ区間1勝、カタルーニャ一周区間1勝、クラシカ・デ・アルメリア2位

2009
ツアー・オブ・ミズーリ区間2勝、ツアー・オブ・アイルランド区間1勝、スパルカッセン・ジロ優勝、ツール・ド・スイス区間2勝、ジロ・デ・イタリア区間4勝、デパンヌ3日間レース区間2勝、ミラノ~サンレモ優勝、ティレーノ~アドリアティコ区間1勝、ツアー・オブ・カリフォルニア区間2勝、ツアー・オブ・カタール総合9位 区間2勝

2013年7月2日火曜日

カンチェラーラがトレック新チームとの3年契約を締結

トレックがファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)と3年間の契約を結んだことを発表した。
推定年俸は4億2000万円と思われる。
今年パリ~ルーベとツール・デ・フランドルを制覇したカンチェラーラは、2014年より新生トレックチームのメンバーとして向こう3年間走ることとなる。

今年の北のクラシックで圧勝したファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード) フォト:Cor Vos
アメリカの自転車メーカー、トレック社がルクセンブルク籍のUCIプロチーム「レディオシャック・レオパード・トレック」を所有・運営するレオパードSAとUCIライセンスの移行に関する合意を行い、新チームを作るためのワールドツアーライセンスを取得したことは既報の通りだ。
トレックと3年契約を結んだカンチェラーラ。チームは春のクラシックに注力するという フォト:Kei Tsuji
そしてトレック社は7月3日付けのプレスリリースにおいて、2014年よりスタートする新チームのメンバーとして、カンチェラーラと3年契約を結んだことを発表した。
新チームは現レディオシャック・レオパードからほとんどのチーム体制が引き継ぐとみられており、つまり今回の発表はカンチェラーラのチーム残留を意味している。

プレスリリース内で、カンチェラーラは次のようにコメントしている。

「ここ数週間、僕のプロフェッショナルとしての将来についての様々な憶測が流れていた。この先もトレックファミリーのメンバーとしていられることを確認でき、とても嬉しく思っている。トレックはここ3年間、例えばドマーネの開発など、とても良い関係を僕と築き上げてくれた。つまりこのことは、プロライダーとして活動する僕にとって、非常に大きなメリットとなる。出場するレースに勝つことは、引退するまで変わらない僕の目標なんだ。トレックと協力して選手活動を続けることに最大級のモチベーションを感じている。」

トレック社の副社長であるジョー・ヴァドボンクール氏はリリースの中で、チーム体制については現在構築中の段階ではあるものの、シーズン序盤のビッグレースに集中することを明記。「春のクラシックレースに注力できるチーム体制を築き上げている段階だ。」とコメントしている。

ツール・ド・フランス2013 第3ステージ 選手コメント ゲランス「サガンのようなトップ選手に勝てて感激」 サガン「落車のダメージが残っている」

ツール・ド・フランス2013の第3ステージは、サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)とのスプリントを制した。敢闘賞もサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が獲得し、オリカ・グリーンエッジの'サイモン'2人が表彰台に2名も送り込む日となった。

ステージ優勝のサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
サガンをゴールスプリントで下したサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) フォト:Cor Vos
今日は自分を含めて少人数での勝負になったことに少し驚いている。先頭グループに残ったスプリンターの数が多くないと予想していた。ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)は、登りも十分にこなせて、優秀なスプリンターたちとスプリント勝負出来る選手だから、今日の様なゴールで彼のような一流選手に勝つことができて本当に嬉しい。
自身2度目のステージ優勝を飾ったサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) フォト:Cor Vos
今日はプランをしっかり実行できたステージだった。誰かを逃げに送り込むというプランだったけど、サイモン・クラーク(オーストラリア)が見事にその役割を果たしてくれた。彼は山岳にいるときにはすべての山岳ポイントに絡んでいたし、最後に先頭から飛び出した小集団を追走する役割も果たしてくれた。

それから、キャメロン・メイヤー(オーストラリア)とミハエル・アルバジーニ(スイス)も最後まで前のほうで牽いてくれたと思う。そして、ダリル・インピー(南アフリカ)がリードアウトしてくれた。彼が仕事を終えて、ぼくが彼から飛び出したのは残り200mの地点でうまくサガンを突き放すことができた。

とても素晴らしい。ちょっと不意を突く形でサガンに(サガン以外の他の選手たちにも)追いつけると思ったけど、チームのためにツール・ド・フランスでのこのステージで勝利できて、とても感激している。このステージはかなり前からずっと狙っていた。ぼくたちは先週末からコルシカに滞在していて、現地の地形やゴール地点を調べていた。その労力が報われたよ。

総合1位のヤン・バークランツ(ベルギー、レディオシャック・レオパード)
マイヨジョーヌをキープしたヤン・バークランツ(ベルギー、レディオシャック・レオパード) フォト:CorVos
チームはしっかりコントロールされていたので、今日はまったくパニックになる必要はなかった。
すべてはプラン通りだった。最後の山岳はハードだった。かなり離れたところから山頂を見上げたときは、自分があそこまでたどりつけるのだろうかと思い始めた。コースガイドよりハードで勾配もきつそうだったからだ。

でも、パニックにはならなかった。ピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー)がアタックしたときは、彼は下りで差を広げることはできるだろうと思ったけど、同時にゴールまでの距離がまだまだあることもわかっていた。チームメイトたちが果たしてくれた仕事にも感謝したい。彼らはぼくにとってかなり重要だ。

今日は素晴らしい日だった。明日のチームTTでは最大限の挑戦をするつもりだ。でも、現実的にはぼくたちのチームよりも、チームTTを得意とするチームは多い。おそらく、明日は厳しい結果になるだろうけど、ぼくたちのチームは素晴らしいし、最大限の努力を果たすつもりだ。

ポイント賞・ステージ2位のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
ステージ2位に入りポイント賞を奪取したペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) フォト:CorVos
パリまでずっとポイント賞のマイヨヴェールを着ていたいと思う。このカテゴリーで、また上位になれてうれしい。今日のスプリントについては、ぼくじゃなくて今日の勝者に尋ねるべきだ。ぼくは2位だから。

ぼくは自分のスプリントをしたつもりだけど、第1ステージの落車以降、調子が出ない。でも、マイヨヴェールを獲得できたことは満足だ。日を追って、調子が出て来ることを願いたい。あの落車のダメージから快復する必要がある。

今日は狙っていたポイントを獲得できてうれしい。しかし、ぼくたちは今後のステージ、とくにスプリントステージをどう乗り切るかも考える必要がある。落車は初日の1回だけにして、これ以上は遠慮したい。

山岳賞のピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー)
山岳賞をキープしたピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー) フォト:Makoto.Ayano
自分としては前のほうで走るグループに入れたのが良かった。最後の山岳では、ダヴィデ・マラカルネ(イタリア)に一緒に行くように誘った。そうして山頂でポイントを獲得したおかげで、この水玉ジャージをさらに数日間着ることができる。このジャージがツールでは、とても重要な意味があることは、ぼくはよく知っている。

しばらくのあいだは、総合優勝候補の選手たちはみな消極的で、総合順位から落ちないように走るはずだ。だから自分向きのステージでは積極的にチャンスを掴んでいこうと思う。おそらく最終週には、その効果が出て来るだろう。でも、誰かを潰してまで結果を出そうとは全然考えていない。

敢闘賞のサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
敢闘賞を獲得したサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) フォト:A.S.O
今日の終盤は、しっかり乗れている選手が少なかった。だから、ぼくたちがちょっとしたアタックを仕掛けることになった——あくまでもちょっとした感じだった。

ちょうど良いタイミングのときに、アージェードゥーゼルの選手(セバスティアン・ミナール(フランス))と前に出たが、彼はあまり長く牽くことができなかった。ひとりで走ることになったと気づいて、どこまでやれるかと考えたがタイミングとしては遅すぎた。でも、タイミングが良ければ、成果を得られたと思う。

ツール・ド・フランスで逃げ集団に入るのは簡単なことじゃない。気持ちも大切だ。逃げの中でアタックが発生したら、いちいち付き合わないといけないからだ。今日は早いうちに逃げが簡単に決まって、細かい揺さぶりはあまりなかった。

2012年のブエルタで4人の逃げ集団に入ったことがあって、そのときに悔しい思いをして、いろいろと学んだ。その時とまったく同じタイミングで同じことが起きたわけではないけど、少なくとも感情の面では同じだった。逃げ集団は毎回、同じような雰囲気だ。誰もが少し疲れたように見えて、それが本当かどうかは最後になってわかる。もしそういう状況にじっくり向き合う必要が出てきたなら、あまり早いうちに体力を使いすぎないことが、その後の展開を楽にしてくれるだろう。

敢闘賞はまったく狙っていなかった。チームとしては、このステージで優勝を狙うつもりだったので、今日は一日中ずっと前のほうにいて、最後まで全力で走り続けただけだ。仮に手に入るのが残念賞だとしても、それはそれで素晴らしい。自分の努力が無に帰したわけじゃないから。

選手紹介

サイモン・ゲランス
選手名:サイモン・ゲランス Simon Gerrans
生年月日:1980年5月16日
国籍:オーストラリア
チーム:オリカ・グリーンエッジ
身長:169cm
体重:62kg



過去のツールの成績:
2005 総合126位
2006 総合78位
2007 総合94位
2008 総合79位 ステージ1勝(st15)
2010 DNS(9st)
2011 総合95位
2012 総合79位 Top20 1回

過去のチーム:
2013 オリカ・グリーンエッジ
2012 オリカ・グリーンエッジ
2011 スカイプロサイクリング
2010 スカイプロサイクリング
2009 サーベロテストチーム
2008 クレディ・アグリコール
2007 アージェードゥーゼル
2006 アージェードゥーゼル
2005 アージェードゥーゼル
2004 アージェードゥーゼル

過去の主な成績:
2013 ツール・ド・フランス区間1勝、バスク一周区間1勝(st6)、ツアー・ダウンアンダー区間1勝(st5) 山岳賞4位、カタルーニャ一周(st6)、アムステルゴールドレース3位、リエージュ~バストーニュ~リエージュ10位、オーストラリア選手権ロード9位

2012 ミラノ~サンレモ、ツアー・ダウンアンダー総合優勝、グランプリ・シクリスト・ド・ケベック優勝、オーストラリア選手権ロード優勝、クラシカ・サンセバスティアン2位、グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル4位、GP西フランス・プルエー12位、リエージュ~バストーニュ~リエージュ19位、アムステルゴールドレース20位、パリ~ニースTop3 1回(st3)、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネTop10 1回(プロローグ)

2011 デンマーク一周総合優勝、GP西フランス・プルエー2位、アムステルゴールドレース3位、オーストラリア選手権ロード3位、コッパ・サバティーニ5位、ヴォルタ・アン・アルガルヴェ総合10位、クラシカ・サンセバスティアン11位、リエージュ~バストーニュ~リエージュ12位

2010 リエージュ~バストーニュ~リエージュ11位、パリ~ニース総合14位、ツール・ド・スイスTop10 3回、ブエルタ・ア・アンダルシアTop3 2回、ツール・ド・ルクセンブルクTop10 1回、ツール・ド・リュムザンTop10 1回、

2009 GP西フランス・プルエー優勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ区間1勝(st10)、ジロ・デ・イタリア総合43位 区間1勝(st14)、グラン・プレミオ・ディ・ルガーノ3位、リエージュ~バストーニュ~リエージュ6位、アムステルゴールドレース7位、フレッシュ・ワロンヌ8位、ヴォルタ・アン・アルガルヴェ総合8位、世界選手権ロード10位、デンマーク一周Top3 1回

2008 ルート・デュ・スュド総合4位 区間1勝、クリテリウム・アンテルナシオナル区間1勝、ツール・デュ・オー・ヴァル2位、アムステルゴールドレース12位

2004 ツール・ドゥ・ブルターニュ総合3位

2002 オーストラリア選手権ロードU23優勝、ツアー・オブ・タスマニア総合3位 区間1勝

2013年6月24日月曜日

ツール・ド・フランス2013出場選手情報 全日本チャンピオン・新城幸也のツール・ド・フランス出場が決定

6月23日に全日本選手権で優勝し全日本チャンピオンとなったばかりの新城幸也のツール・ド・フランス出場が決定した。29日より始まる第100回の記念大会が、全日本チャンピオンジャージ披露の場となる。新城のツール出場は4回目だ。
ツール・ド・フランス出場を決めた新城幸也 フォト:Miwa.Iijima
チームからの公式発表はまだなされていないが、Teamユキヤ通信によるとチームから本人に連絡があったという。リリース内で新城は以下のようにコメントしている。

「うれしいです。手ごたえは感じていましたが、正式に発表を聞けて、ホッとしました。日本チャンピオンとして、ツール100回大会を走ることができます!!支えてくださっていた皆さん、いつも応援していただいている皆さん、本当にありがとうございました。まずは、チームの仕事を第一に走りますが、限られたチャンスをしっかりと活かし、日本チャンピオンジャージでのポディウムを狙います。日本から、連日応援お願いします。」

2013年6月10日月曜日

栗村修ブログ 国際化

photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
昨日開催されたJプロツアー第6戦の 『JBCF栂池高原ヒルクライム』 は、2010年のジロ・デ・イタリア第17ステージでステージ優勝を飾っているダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)が、Jプロツアーリーダーのホセビセンテ・トリビオ(チーム右京)をスプリントで下して優勝を飾りました。

3位にはトリビオ(チーム右京)のチームメイトである土井選手(チーム右京)が入り、上位3名がグランツール経験者という国内UCI管轄外レースとしてはレベルの高いリザルトとなっています。

1位 ダミアン・モニエ(ブリヂストン)49m22s ('07ヴエルタ,'08ジロ,'09ヴエルタ,'10ジロ,'10ツール完走)
2位 ホセビセンテ・トリビオ(チーム右京)st ('10-'12ヴエルタ完走)
3位 土井雪広(チーム右京)+4s ('11-'12ヴエルタ完走)
4位 ヴァンサン・カナール(ブリヂストン)+8s
5位 伊丹健治(ブリヂストン)+13s (群馬県出身)
6位 トマ・ルバ(ブリヂストン)+23s
7位 狩野智也(チーム右京)+24s (群馬県出身)
8位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)+31s (群馬県出身)
9位 城田大和(宇都宮ブリッツェン)+1m26s
10位 初山翔(ブリヂストン)+1m26s

よく国内レースのレベルについて議論されることがありますが、アジアツアーで優勝を飾ってる選手や本場欧州のアマチュアレースで活躍する日本人選手が帰国して参加しても、すぐに余裕で優勝を手にしてしまうという様な光景はあまり見かけません。

『日本のレースは距離が…』、『日本のレースは展開が…』、などの言い訳をちらほら聞いたりもしますが、日本のレースについての情報(選手、コース、クセ)を殆ど持っていない外国人選手でも強ければすぐに結果を残してしまいます。

なんとく必要以上に、レースの地域、形態、距離、などに対して偏見を持ちすぎている気がします。

重要なのは、多くのレースがあり、それに対して選手たちが高いモチベーションを持って取り組むこと、そしてその中から世界で通用する“才能”を見つけられるかどうかです。

日本人選手と外国人選手の違いは?

3つのヒントがあります。

何故日本から優秀なプロ野球選手が生まれるのか?
何故フランスやスペインからは優秀なプロ野球選手が生まれないのか?
何故日本でのみしか開催されていない“相撲”というプロスポーツの上位に外国人力士が多いのか?

我々現場の人間というのは時に 『1+1』 すら解けない近視眼人間の集まりと化してしまいます。

2013年5月14日火曜日

ツアー・オブ・カリフォルニア2013‎ 第2ステージ リザルト

ステージ結果
順位名前チーム年齢タイム
1ハビエルアレクシス・アセヴェドコッレCOLJSH285:07:40
2ティジェイ・ヴァンガーデレンUSABMC25+12
3フィリップ・デニャンIRLUHC30+27
4マティアス・フランクSUIBMC27+45
5マイケル・ロジャースAUSTST34+55
6チャド・ハーガUSAOPM25+1:13
7マシュー・ブッシュUSARLT28+1:15
8フランシスコ・マンセボペレスESP5HR37+1:15
9ローソン・クラドックUSABLS21+1:32
10キャメロン・マイアーAUSOGE25+1:40

総合
順位名前国.チーム年齢タイム
1ハビエルアレクシス・アセヴェドコッレコロンビアJSH289:39:19
2ティジェイ・ヴァンガーデレンアメリカBMC25+12
3フィリップ・デニャンアイルランドUHC30+27
4マティアス・フランクスイスBMC27+45
5マイケル・ロジャースオーストラリアTST34+55
6フランシスコ・マンセボペレススペイン5HR37+1:03
7チャド・ハーガアメリカOPM25+1:13
8マシュー・ブッシュアメリカRLT28+1:15
9ローソン・クラドックアメリカBLS21+1:32
10キャメロン・マイアーオーストラリアOGE25+1:40

ポイント
順位名前チーム年齢ポイント
1リーウェ・ウェストラオランダVCD3115
2フランシスコ・マンセボペレススペイン5HR3712
3ペーター・サガンスロバキアCAN2310
4ジャンニ・メールスマンベルギーOPQ287
5ジャスパー・ステューベンベルギーBLS216
6カタ・ジョーンズアメリカBPC245
7ジェイコブ・レイズアメリカGRS225
8アレクサンダー・キャンデルアリオアメリカOPM384
9ジェームス・ステンバーアメリカ5HR283
10ミッチェル・ドッカーオーストラリアOGE273

山岳
順位名前チーム年齢ポイント
1カタ・ジョーンズアメリカBPC2419
2ジェームス・ステンバーアメリカ5HR2816
3マルシュ・クーパーカナダOPM2812
4ザッカリ・デンプスターオーストラリアTNE2610
5ルーカス・イーザーアメリカUHC308
6タイラー・ウレンアメリカJSH324
7ローラン・ディディエルクセンブルクRLT292
8マシュー・ブッシュアメリカRLT281

2013年5月13日月曜日

ツアー・オブ・カリフォルニア2013‎ 第1ステージ リザルト

ステージ
順位名前チーム年齢タイムPaRPcR
1リーウェ・ウェストラオランダヴァカンソレイユDCM314:31:33200*
2フランシスコ・マンセボペレススペイン5アワーエナジー37+01414
3ペーター・サガンスロバキアキャノンデール23+680*
4ジャンニ・メールスマンベルギーオメガファーマ・クイックステップ28+670*
5ジャスパー・ステューベンベルギーボントレガー21+666
6ジェイコブ・レイズアメリカガーミン・シャープ22+650*
7アレクサンダー・カンデルアリオアメリカOPM38+644
8ミッチェル・ドッカーオーストラリアオリカ・グリーンエッジ27+620*
9ジェレミー・ヴェンネルニュージーランドビッセル33+6
10ターナー・パットアメリカボントレガー21+6


総合
順位名前チーム年齢タイムPaRPcR
1リーウェ・ウェストラオランダヴァカンソレイユDCM314:31:23100*
2フランシスコ・マンセボペレススペイン5アワーエナジー37+4
3ペーター・サガンスロバキアキャノンデール23+12
4カタ・ジョーンズアメリカビッセル24+13
5ジェームス・ステンバーアメリカ5アワーエナジー28+14
6ジャンニ・メールスマンベルギーオメガファーマ・クイックステップ28+16
7ジャスパー・ステューベンベルギーボントレガー21+16
8ジェイコブ・レイズアメリカガーミン・シャープ22+16
9アレクサンダー・カンデルアリオアメリカOPM38+16
10ミッチェル・ドッカーオーストラリアオリカ・グリーンエッジ27+16

2013年5月11日土曜日

新製品情報2013 豊富なカラーが魅力 ヘリウムのデザインを受け継ぐヘルメット レイザー O2

自転車王国ベルギーのヘルメットメーカー、レイザー。手頃なプライスながら、上位機種と同じフィッティングシステムを備えたヘルメット「O2(オーツ―)」がマイナーチェンジ。オプションパーツによる高い拡張性も魅力だ。JCF公認ヘルメットのため、登録レースでも使用できる。
レイザー O2(ホワイト/シアン) (c)マルイ
O2(オーツー)は手頃な価格ながら、上位機種のヘリウムやジェネシスにも採用される、レイザー独自の「ロールシス」を搭載し、高いフィット感を得られることが特徴だ。2013年モデルは頭頂部のダイアルがマイナーチェンジされ、別売りのLEDテールライトが装備可能になり、安全性なライディングに一役買っている。加えて、24個の通気孔とクールマックス内装パッドによって高い快適性を実現したヘルメットだ。
レイザー O2(フラッシュイエロー) (c)マルイ
レイザー O2(グリーン/ホワイト) (c)マルイ
レイザー O2(レッド/ホワイト) (c)マルイ
レイザー O2(ブラックマット) (c)マルイ
レイザー O2(ホワイトマット) (c)マルイ
レイザー O2(オレンジ) (c)マルイ
昨今、レースの現場で話題になっているヘルメットカバーや森林や山中でのサイクリングに便利な虫よけネット付きのインナーパッド、寒い季節に便利な冬用のインナーパッドがオプションで用意されていることが特徴。サイズはユニサイズとXLサイズの2種類で、XLサイズは64cmまで対応。カラーは10種類と豊富で、バイクやウェアとのコーディネートにも。取扱いはマルイ。

レイザー O2
サイズ:ユニサイズ(53~61cm)、XL(62~64cm)
カラー:フラッシュイエロー、ホワイト/ブラック、グリーン/ホワイト、ホワイト/シルバー、レッド/ホワイト、ホワイト/シアン、ブラック/グレー、ブラックマット、ホワイトマット、オレンジ
重 量:280g(ユニサイズ)
価 格:12,600円(税込)

リンク 記事元

2013年5月9日木曜日

新製品情報2013 142×12mmスルーアクスル対応 サイクルオプス・パワータップG3 PRO MTB Disc

シリアスライダーから定評のあるパワートレーニング機材を開発する「サイクルオプス」。パワータップシリーズのラインナップに142×12mmスルーアクスル仕様のアイテムが登場している。
サイクルオプス PowerTapG3 PRO MTB Discハブ 142x12mmスルーアクスル仕様 (c)キルシュベルク・インク
今回登場した製品は、はアメリカのWheelbuilder.comの承認のもと、同社が独自に開発・生産した大径17mmのパワータップ用アクスルキットを国内で製品に組み込んだもの。組み込み作業ではベアリングの押し出し・圧入のほか、キャリブレーション作業も行われる。
Wheelbuilder.com製17mmアクスルおよび構成パーツ(下) (c)キルシュベルク・インク
この製品の登場により、スルーアクスル仕様のMTBに乗るシリアスライダーがパワータップ製品を使うことができるようになった。重量はディスクローター込みで665g。キルシュベルク・インクオンラインストア、もしくは正規販売代理店での購入が可能だ。

サイクルオプス PowerTapG3 PRO MTB Discハブ 142x12mmスルーアクスル仕様
重 量:665g
価 格:160,000円(税込)

リンク
キルシュベルク・インク

ジロ・デ・イタリア2013第5ステージ 濡れたコーナーで落車発生 アルゴスのデゲンコルブがジロ初勝利を飾る

ラスト1kmを前にした左コーナーで発生した落車が、登りで何とか集団に残ったスプリンターたちの努力をふいにした。雨に濡れたマテーラでのゴールスプリントでジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)が勝利。昨年ブエルタでステージ5勝を飾った男が、ジロ・デ・イタリアで初白星を飾った。
コゼンツァの歩行者天国をパレード走行する photo:Riccardo Scanferla
前日の第4ステージで今大会の最南端に達したジロは、ドロミテやアルプスに向けて北上を開始する。第5ステージはカラブリア州のコゼンツァからバジリカータ州のマテーラまで203km。難易度の低い平坦ステージに指定されているものの、終盤にかけて4級山岳と標高差300mほどの緩い登りが登場する。
ブリアン・ブルギャク(オランダ、ロット・ベリソル)やラファエル・アンドリアート(ブラジル、ヴィーニファンティーニ)が逃げる photo:Riccardo Scanferla
この日もUCIプロコンチネンタルチームを中心に逃げを作る動きが活発化。ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)やラファエル・アンドリアート(ブラジル、ヴィーニファンティーニ)、トマス・ヒルマルティネス(ベネズエラ、アンドローニジョカトリ)を含む6名が集団から飛び出し、長靴(イタリア半島)の足裏を東に向かう。
逃げを見送ったメイン集団をカチューシャがコントロール photo:Kei Tsuji
総合に関係のないメンバーが逃げたため、カチューシャは追撃に興味を示さず、タイム差は10分を越える。レース中盤に入ると、オリカ・グリーンエッジやオメガファーマ・クイックステップが集団コントロールに合流。海に沿った真っ平らな幹線道路でタイム差は縮小の一途をたどった。
ゴールのマテーラの街に向けて登りを進むプロトン photo:Riccardo Scanferla
レース終盤に差し掛かると、局地的な豪雨によって路面がウェットな状態に。ラスト20km地点の4級山岳モンテスカリオーゾでメイン集団が逃げグループのすぐ後ろに迫る。ピラッツィが最後まで粘ったが、結局は4級山岳通過後に吸収された。
カノーラを抜いて先頭に立ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) photo:Kei Tsuji
この4級山岳モンテスカリオーゾは平均勾配が10%ほどもある急勾配の登り。ここでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)がメイン集団から脱落してしまう。蛇行しながら登りをこなすカヴェンディッシュ。その後、チームメイトの力を借りたが、集団に復帰することはなかった。

カヴェンディッシュの脱落、そしてピラッツィの吸収後、続いてベン・ガスタウアー(ルクセンブルク、アージェードゥーゼル)やロベルト・ヴレセル(スロベニア、エウスカルテル)、ラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)がアタック。しかしこの動きもラスト8kmで終わりを迎える。

BMCレーシングチームやバルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックスがハイペースを刻むメイン集団は、マテーラに向かう緩斜面で80名ほどに縮小。スプリント勝負に持ち込みたくないチームによるアタックは続き、今度はラスト5kmでユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼル)がアタックする。勢いのある走りでリードを広げたデュポンだったが、雨に濡れたマテーラ市内でメイン集団に吸収された。

決定的なアタックが生まれないままラスト3km。集団スプリントでの決着が濃厚となってくる。集団内で登りをクリアしたデゲンコルブやゴス、ヴィヴィアーニ、ブアニ、ベントソ、ニッツォーロ、ベンナーティ、ポッツァートらにチャンスが回って来た。

しかしラスト1kmアーチを前にした左90度コーナーで大落車が発生する。集団前方を走っていたルーカ・メスゲツ(スロベニア、アルゴス・シマノ)がコーナーを曲がりきれずに落車。後続の選手が次々に突っ込み、道が塞がれてしまう。落車を免れたマルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス)がそこからスパートを仕掛けた。

1kmアーチを先頭で駆け抜けるカノーラ。追撃したのは「落車でペダルが外れてしまった」というデゲンコルブ。先頭で最終ストレートに入ったカノーラを、デゲンコルブが自分の力で追いかける。

ゴールに向かう3%ほどの登りでカノーラが徐々に失速すると、ラスト200mでデゲンコルブが先頭に。ラスト1kmから踏み続けた脚に今一度ムチを打ち、喘ぎながら先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
ジロのステージ初優勝を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) photo:Kei Tsuji
ゴール後、デゲンコルブは苦しみながら地面に倒れ込む。「落車のあとバルディアーニの選手(カノーラ)が飛び出した時、これは一か八かの勝負になると思った。周りに誰もいなかったので、ラスト1kmからスプリントを開始。本当に本当にハードだった。かなり苦しんだよ」。
シャンパンを豪快に開けるジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) photo:Kei Tsuji
デゲンコルブは昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ5勝。初出場のジロで、持ち前の登坂力&スプリント力を見せつけた。「スプリンターは勝ってこそ評価される。ブエルタ以降しばらく勝てていなかったから、これは自分にとって大きな意味のある勝利だ」。

デゲンコルブのゴール後、総合上位陣を含む選手たちはばらばらにゴール。しかしラスト3km以内の落車だったため、どの選手にもステージ優勝者と同じタイムが与えられている。ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)は1秒も失うことなくマリアローザを守った。

第6ステージはピュアスプリンター向きの完全なる平坦ステージ。登りと落車でチャンスを失った選手たちがここぞとばかりに狙ってくるだろう。
ジロ・デ・イタリア2014第5ステージ結果
順位名前チーム年齢タイム
1ジョン・デゲンコルブドイツアルゴス・シマノ244:37:48
2アンヘル・ビシオソ・アルコススペインカチューシャ36+0
3ポール・マルテンスドイツブランコ30+0
4セルジオルイス・エナオモントーヤコロンビアスカイ26+0
5マッテオ・トレンティンイタリアオメガファーマ・クイックステップ24+0
6ヤルリンソン・パンタノコロンビアコロンビア25+0
7ダニエル・オスイタリアBMCレーシング26+0
8イェンス・ケウケレールベルギーオリカ・グリーンエッジ25+0
9グレガ・ボーレスロベニアヴァカンソレイユ・DCM28+0
10タネル・カンゲルトエストニアアスタナ26+0
11ミカエル・ゴラスポーランドオメガファーマ・クイックステップ29+0
12マルコ・キャノーライタリアバルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス25+0
13ジャクソン・ロドリゲスベネズエラアンドローニジョカットリ28+0
14エリア・ヴィヴィアーニイタリアキャノンデール24+0
15ナセル・ブアニフランスエフデジ23+0
16フランシス・デグレエフベルギーロット・ベリソル28+0
17ラファル・マイカポーランドサクソ・ティンコフ24+0
18プリズミスラフ・ニエミエツポーランドランプレ・メリダ33+0
19ディエゴ・ローザイタリアアンドローニジョカットリ24+0
20マウロ・サンタンブロージオイタリアヴィーニファンティーニ29+0

個人総合成績
順位名前チーム年齢タイム
1ルーカ・パオリーニイタリアカチューシャ3619:56:39
2リゴベルト・ウランウランコロンビアスカイ26+17
3ベニャト・インサウスティエロッリガスペインモビスター27+26
4ヴィンチェンツォ・ニバリイタリアアスタナ29+31
5ライダー・ヘシェダルカナダガーミン・シャープ33+34
6ブラドリー・ウィギンスイギリススカイ33+34
7ジャンパオロ・カルーゾイタリアカチューシャ33+36
8セルジオルイス・エナオモントーヤコロンビアスカイ26+37
9マウロ・サンタンブロージオイタリアヴィーニファンティーニ29+39
10カデル・エヴァンスオーストラリアBMCレーシング36+42

ポイント賞
順位名前チーム年齢ポイント
1ルーカ・パオリーニイタリアカチューシャ3635
2ジョン・デゲンコルブドイツアルゴス・シマノ2430
3カデル・エヴァンスオーストラリアBMCレーシング3630
4マーク・カヴェンディッシュイギリスオメガファーマ・クイックステップ2828
5エンリーコ・バッタリンイタリアバルディアーニヴァルヴォーレ・CSFイノックス2425
6ライダー・ヘシェダルカナダガーミン・シャープ3324
7エリア・ヴィヴィアーニイタリアキャノンデール2424
8ファビオ・フェリーネイタリアアンドローニジョカットリ2320
9アンヘル・ビシオソ・アルコススペインカチューシャ3620
10ナセル・ブアニフランスエフデジ2317


山岳賞
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)

新人賞
ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

チーム総合成績
カチューシャ