2013年4月22日月曜日

リエージュ~バストーニュ~リエージュ2013速報 マーティンがロドリゲスとの一騎打ちの末リエージュ初制覇

アルデンヌクラシック3連戦の最後を飾る第99回リエージュ~バストーニュ~リエージュはゴールのアンスに至る緩やかな登りまで勝負はもつれ、ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)がホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)との一騎打ちを制した。

2位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)を3秒離してゴールするダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)

詳しくは追ってお伝えします。

リエージュ~バストーニュ~リエージュ2013 暫定結果
Pos.RiderTeamWTPntTime
1 ダニエル・マーティンガーミン・シャープ1002756:38:07
2 ホアキン・ロドリゲス・オリヴァーカチューシャ802000:03
3 アレハンドロ・バルベルデ・ベルモンテモビスター701500:09
4 カルロス・アルベルト・ベタンクール・ゴメスアイージェードゥーゼル60120,,
5 ミケーレ・スカルポーニランプレ・メリダ50100,,
6 エンリーコ・ガスパロットアスタナ40900:18
7 フィリップ・ジルベールBMCレーシング3080,,
8 ライダー・ヘシェダルガーミン・シャープ2070,,
9 ルイ・アルベルト・ファリア・ダ・コスタモビスター1060,,
10 サイモン・ゲランスオリカ・グリーンエッジ450,,
46 新城幸也ユーロップカー51:30


2013年4月21日日曜日

Jプロツアー第2戦JBCFタイムトライアル南紀白浜2013 タイムトライアルはチームUKYOが圧倒で2連勝

土井雪広、ホセ・ビセンテ・トリビオ(スペイン)、阿部嵩之の3人になってからも落ちないペースのチーム右京。唯一19分台で開幕2連勝を達成した。

優勝のチームUKYO
平地のスペシャリストにとって待望のチームタイムトライアル。専用機材を使うことで確実にタイムも縮まることからディスクホイールは当たり前、TT専用バイクを投入するチームも。

2位のマトリックスパワータグ
4月20日(土)、今年で2回目のチーム・タイムトライアルが、和歌山県白浜町の旧南紀白浜空港跡地滑走路で行われた。コースは滑走路を往復する単純なものだが、緩い勾配と常に吹く風が敵。当日は小雨も振り出し、天候に応じた走りをすることも技術のうち。
3位の宇都宮ブリッツェン
P1は1周2.5kmを6周する15kmで行われた。1チーム6人までの出走で、3番目の選手のゴールがチームのタイムとなる。スタート順は、前戦までのチーム順位の逆から。3番目スタートまでは曇りで風のある状態。5番目スタートのJPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックスのときに小雨が降りだし路面はドライからウェットへ。マッサは20分59秒63の好タイムで暫定トップに。

昨年第1回大会優勝のキャノンデールのタイムは20分00秒。ラップタイムは3分20秒でこれを上位チームは基準に走る。
4位のイナーメ信濃山形
次に塗り替えたのはイナーメ信濃山形。途中で橋本健がパンクで隊列が乱れるが修正して20分44秒。終盤スタートのマトリックスパワータグはハイペースで進むが3周目で2人が落車、その影響でもう一人も離れて中盤で3人に。しかしこのマリウス・ヴィズィアック(ポルトガル)、窪木一茂、池部壮太の3人のラップは落ち込まず暫定トップに。

最終組はチームUKYOと宇都宮ブリッツェン、昨年の2位3位だ。1周目からチームUKYOが10秒ほどリードする。その後も差を広げるチームUKYOだがハイペースにメンバーは土井雪広、ホセ・ビセンテ・トリビオ(スペイン)、阿部嵩之の3人に。しかしペースは落ちず、リードを保ったまま優勝。対する宇都宮ブリッツェンは終盤まで6人全員がまとまって走る展開に。

TTは天候の影響も受ける。今回は序盤は風があったが路面はドライ。終盤は風は弱くなったが路面はウェットに。全体を通してみれば、天候の影響は大差ない範囲だっただろう。マトリックスは中盤前での2人の落車の影響は大きかった。トラックレースにも積極的に取り組み、スピードに定評のある同チームにとっては悔いの残る走りに。
5位のキャノンデール・チャンピオンシステム
6位のJPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス
チームUKYOはホセ・ビセンテ・トリビオが平地も強力でそのため中盤過ぎには3人となった。が、その後は土井を中心にペースを安定させて走りきることに専念、優勝を手にした。TTの得意な阿部は「準備期間が短かったけれども、期待された結果を出せて嬉しい。自分も嫌いな種目ではありませんから(笑)」と語る。「イージー!と言ったけれどもホセが上げ過ぎて(笑)」と早々に3人になったいきさつを語る土井。片山右京監督によると、さらにコロンビア人選手が加入予定とのこと。開幕2戦目でのこの結果は、まだまだ序の口だ。
女子優勝の豊岡英子(パナソニックレディース)3分45秒64
E1優勝の豊田勝徳(チームアヴェル)3分24秒04
結果
P1 15km
1位 チームUKYO 19分55秒55
2位 マトリックスパワータグ +19秒
3位 宇都宮ブリッツェン +25秒
4位 イナーメ信濃山形 +48秒
5位 キャノンデール・チャンピオンシステム +58秒
6位 JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス +1分04秒
7位 なるしまフレンドレーシングチーム +1分23秒
8位 エスペランススタージュ・ウェイブワン山口 +1分26秒
9位 湘南ベルマーレ +1分38秒
10位 インタープロ・シクリズム +1分38秒

Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ・トリビオ(チームUKYO)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
E2優勝の小西優大(岩井商会レーシング)3分25秒42
F 2.5km
1位 豊岡英子(パナソニックレディース)3分45秒64
2位 吉川美穂(Team ASAHI)+01秒
3位 高山真由子(竹芝サイクルレーシング)+13秒

E1 2.5km
1位 豊田勝徳(チームアヴェル)3分24秒04
2位 小池直樹(SPADE・ACE)
3位 加藤明豊(RITCHEY BREZZAカミハギR)+04秒
4位 今井雄輝(EURO-WORKS Racing)
5位 吉原健太郎(ADON Cycling Team)+05秒
6位 田典幸(Espoir Asia)
E3優勝の中川智(まんま-AO・HANI CyclingTeam)3分29秒69
E2 2.5km
1位 小西優大(岩井商会レーシング)3分25秒42
2位 笹木哲雄(Espoir Asia)+07秒
3位 若山敦資(ADON Cycling Team)+09秒
4位 山本篤史(チームCB+)
5位 上澤剛(郡山サイクルフレンズ)+12秒
6位 国清雅継(Espoir Asia)

E3 2.5km
1位 中川智(まんま-AO・HANI CyclingTeam)3分29秒69
2位 棚橋峻也(天狗党)+01秒
3位 管籐貴昭(航空電子自転車競技部)+02秒
4位 牧野翼(ボンシャンス)+05秒
5位 西村和樹(Espoir Asia)+06秒
6位 頼近直純(まんま-AO・HANI CyclingTeam)

2013年4月20日土曜日

Don Not Litter or No Race? ゴミのポイ捨てが命取り?リエージュ~バストーニュ~リエージュの出走にも影響の可能性?選手のマナーも問われるレース界、今後の対策が急務か

明日にアルデンヌ・クラシック最終戦リエージュ~バストーニュ~リエージュを前に思わぬ騒動が現地で起きている。昨年度のレースで先頭争いを演じていた選手たちに対して、ゴミのポイ捨てに関してベルギー警察の捜査が入ったのだ。カメラに映ることが多い先頭争いをしていた選手たちに対して、身分証会などが行われており、最悪出走停止の判断がくだされる可能性があることを示唆している。

そもそもレースを見ていて選手たちは携帯食、栄養補給食の包み紙などをどうしているのかと気になった方もいたのではないだろうか。ボトルなどは沿道のファンが記念に持って帰るために、あえて人のいるところに投げる事が多いが、包み紙などは記念品にもならずに、捨てられれば単にゴミになってしまうのだ。このことは以前から問題となっており、レースによっては捨ててもよい区間(回収の手間暇を考慮し決まっている)、または捨てた場合には罰金が課されるなど対策が講じられているレースもある。各チームにはなるべく捨てないようにして欲しいという通達が出ているが、その辺りは徹底されていないのが現状だ。


レース後の栄養補給食のゴミの山
選手たちからの声もまちまちであり「ゴミを捨てないようにするのは当然のことであり、多くの子供達に夢を与える立場なのだから、やはり模範とならなければならない。レース中のみならず普通に町中でポイ捨てをすルのはマナー違反、モラルの欠如なのだから、それがレース中だからといって例外は許されない。」という声がある反面で「レース中は勝負に徹しているから、そこまで気が回らない。」と言った声もある。実際育った環境によっても、ゴミに対する考えは大きく違っており、ゴミのポイ捨てに対して「他の選手が行なっているのを見るとむかつく」という選手がいるのと同時に「そんなにポイ捨ては大きな問題なのか?」という選手もおり、きちんとした国際レースとしてのルール作りが必要だろう。こういう時こそUCIが音頭を取って動くべきなのだが、こういったことにはあまり積極的ではないのも統括組織のUCIの問題である。

現状で包み紙などは自然環境で分解されない物が多く、またひと気の少ない所では、レースの都度ゴミを回収する人間を用意する人件費(レースが数百キロに及ぶため)の確保は困難であり非現実的なので、やはりゴミをなるべく出さないようにするのが一番であることは間違いない。選手はそもそもレースジャージ後部にポケットを持っており、サコッシュで受け取った補給食をそこへ入れている。そうなれば当然食後の包み紙や袋などのゴミをそのポケットに入れるのが一番良いのではとシンプルに思ってしまう。

しかし選手からすれば「食べたものとそうでないものとが混ざる」、「手がべたつく(甘いものが多いため)」などと気になる点があるようだ。とはいえやはり誰かが自分の玄関先や家の近所の道路にゴミを捨てていけば当然気分が良いわけがない。レースを催した上で、ゴミポイ捨て問題を解決するのであれば、やはり競技者側が捨てることを自制するのがベストと言わざるをえないだろう。

今回調査の対象となっているのは、選手全員ではなく、終盤の目立つ場面でテレビに写っていた選手たちだ。やはりその影響力が大きいとして、人数を絞った上での取り調べとなっている。環境団体(地域の景観を守る慈善団体)の訴えが発端であり、やり過ぎではとの声もあるが、やはりこうした問題提起がされない限りは真剣に対策が講じられないのも現実だ。

今回選手の出走停止という話は行き過ぎだと思うが、こういったことを教訓に各チームも選手教育を徹底していくきっかけにしてほしい。”最もゴミを生み出すスポーツ”と揶揄されることもあるサイクルロードレース、その未来を語る上でゴミのポイ捨ては避けては通れない”道”だろう

2013年4月19日金曜日

Sram 22 スラムが油圧式ロードブレーキをラインナップ、ロード新時代の油圧キャリパーブレーキと油圧ディスクブレーキは普及するか?独自路線を突き進むコンポーネントメーカーはやっぱり面白い

SRAM(スラム)が2013年度のラインナップを公表した、。上位機種のRED(レッド)とForce(フォース)はリアが11段化され、前と合わせて22段変速となりそれぞれRED22、Force 22となった。しかし今までの10速のREDとForceも引き続きラインナップされる。
ロードコンポの進化が止まらない
何よりも大きく変わったのがSRAM RED に油圧キャリパーブレーキ、油圧ディスクブレーキが加わり、それに合わせた油圧ブレーキ用ブレーキ/シフターレバーも用意されたことだろう。ライバルであるシマノやカンパニョーロが電動コンポーネントを積極的に開発、販売する中、電動を開発はすれどラインナップに加えて来なかったSRAMが、ライバルたちに先駆けて油圧ブレーキシステムをラインナップに加えてきた。これら油圧式ブレーキは10速用にももちろん対応している。そして当然のことながら従来の軽量なワイヤー式ブレーキも用意されており、単純に選択肢の幅が広がった形だ。

大きくプロチームでの使用率が減ったが、それでも最強集団オメガファルマ・クイックステップと王者コンタドール擁するサクソ・ティンコフ、怪童サガン擁するキャノンデールが使用する完成度が高いコンポーネント、電動でなくとも遜色なく勝負し勝利できることからしても、電動化の追随よりも、長年に渡り大きな進化がなかったブレーキにその開発の重点を置いてきた形だ。変速機などの駆動系も重要だが、高速で巡航するロードレーサーにおいて勝負の分かれ目となりうるのがバイクコントロールだ。そしてそのバイクコントロールに必要不可欠なものこそがブレーキなのだ。

ライバルメーカーも当然のことながら油圧ブレーキの開発は進めている。しかしながらマウンテンバイクなどでお馴染みのブレーキ専門メーカーのAvid(アヴィッド)を傘下に持つSRAMに一日の長があったようだ。

マウンテンバイクでも1x11を出してくるなど、ライバルメーカーとはかなり違った切り口で勝負してくるSRAM、王道でありながら王道ではない道を選ぶあたりが個性的であり、曲者であり、ユーザの心をつかむのだろう。

今現在3強が占めるコンポーネント市場、ミクロシフトがその牙城に挑んではいるが、そのハード、ルは想像以上に高い。そしてまだ詳細は公表はできないのだが、3強に挑む総合コンポーネントメーカー誕生が年内にも予定されており、コンポーネントバトルからはちょっと目が離せない一年になりそうだ。

2013年4月18日木曜日

ジャパンカップ2013 2013ジャパンカップ スカイ、レディオシャック、オメガファーマ、キャノンデールの4つのUCIプロチームの参戦決まる

10月19・20日開催の2013ジャパンカップの出場チームが早くも発表になった。UCIプロチームとしてはスカイプロサイクリング、レディオシャック・レオパード、オメガファーマ・クイックステップ、キャノンデールプロサイクリングの4チームの出場が確約された。

4月19日午前0時、ジャパンカップ実行委員会が今年のジャパンカップ出場チームのうち、出場交渉に成功した4つのUCIプロチームを公式サイトで発表する。
初出場チームとしてスカイプロサイクリングとレディオシャック・レオパードが、そして過去クイックステップとして出場しているオメガファーマ・クイックステップと、昨年に引き続きキャノンデールプロサイクリングの出場が決まった。

初出場のスカイプロサイクリング ウィギンスとポルトの出場はあり得るか?
レディオシャック・レオパード カンチェラーラやアンディ・シュレクの来日に期待が集まる
オメガファーマ・クイックステップ カヴェンディッシュとボーネン出場に期待が集まる:
キャノンデールプロサイクリング 昨年覇者バッソ、スーパースターのサガン、エースは増田成幸?
ジャパンカップのオーガナイザーをつとめる実行委員会の清水正雄プロデューサーへの取材によれば、各チームへのオファーとして次の選手の出場をリクエストしていると言う。

まずスカイプロサイクリング(イギリス)は2012ツール・ド・フランス覇者ブラドレー・ウィギンス(イギリス)と2013パリ~ニース覇者リッチー・ポルト(オーストラリア)。

レディオシャック・レオパードは北のクラシック2冠を達成したファビアン・カンチェラーラ(スイス)とアンディ・シュレク(ルクセンブルグ)、そして2009年にも来日したイェンス・フォイクト(ドイツ)。

オメガファーマ・クイックステップ(ベルギー)は世界ナンバーワンスプリンターのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)とトム・ボーネン(ベルギー)。

キャノンデールプロサイクリングがディフェンディングチャンピオンのイヴァン・バッソ(イタリア)、昨年も出場したペーター・サガン(スロバキア)、そして増田成幸。

ジャパンカップでは各チームに対して以上のリストの選手の出場についてリクエストを出していると言う。もちろんそれぞれの選手の出場の確約が取れるのはレース開催直前のこと。各選手のその時の体調や、その前後の出場レースとの調整により判断が下されるため、出走リストが確実になるのは開催直前になる。

また、ジャパンカップ事務局では今後UCIプロチームに関してはもう1チームの出場交渉を成功させるべく条件を調整しており、その結果次第では過去最高の5つのUCIプロチームが出場することもあり得ると清水プロデューサーはコメントしてくれた。


今後決定する出場チーム、選手については交渉が成立次第、随時発表される予定だ。

なお2013ジャパンカップ 公式サイトは4月19日午前0時に2013年度版へとリニューアルオープンする予定(18日現在は2012年度版のまま)。出場チームはそのオープン時に掲載されている見込みだ。

フレーシュ・ワロンヌ2013 ワロンの矢を制したモレーノがカチューシャに連覇もたらす 沈んだ有力候補たち

ホアキン・ロドリゲスの勝利から1年。ユイの壁の激坂を制したのは同じカチューシャのジャージを着るダニエル・モレーノだった。ベタンクールの早めのアタックにリズムを狂わされたジルベールら優勝候補たちはリズムを狂わされてしまった。

ユイの壁には観客たちが詰めかけ、人垣をつくる

アルデンヌ・クラシックの2戦目、ベルギーのワロン地方で開催される第77回フレーシュ・ワロンヌ(UCIワールドツアー)。「ワロンの矢」を意味するレースは近年のスタートの街シャルルロワからバンシュに変更となったことでコース全長は205kmになり、登りの数は10カ所から12カ所に。距離、上りともに例年より難易度が上がった。

サイモン・ゲスシュケ(ドイツ、アルゴス・シマノ)とローレンス・テンダム(オランダ、ブランコプロサイクリング)が逃げる
レースの歴史上まったく初のスタート地点となったバンシュを走りだした196選手たち。天候は快晴。20kmの早い段階でのアタックを決めたのはジル・デビリャース(ベルギー、クレラン・ユーフォミー)とピルミン・ラング(スイス、IAMサイクリング)。ユルゲン・ヴァンゴーレン(ベルギー、アクセントジョブ)が合流し、3人逃げが形成される。
集団とのタイム差は一時10分近くに広がった。しかし今日12ある坂の1つ目に差し掛かった時点でメイン集団はペースを上げ、差を縮めだす。108.5km地点にあたる最初のユイの坂では約7分差に。集団を主に引くのは優勝候補フィリップ・ジルベール擁するBMCレーシング。赤いジャージの軍団に守られたレインボージャージが順調に駒を進める。3人は7つ目の坂でメイン集団に捕まった。

次なるアタックをかけたのは ローレンス・テンダム(オランダ、ブランコプロサイクリング)とロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)。脱落したバルデに代わってサイモン・ゲシュケ(ドイツ、アルゴス・シマノ)がテンダムに合流。ふたりのランデブーが始まった。

ゲスクとテンダムの逃げはラスト9.3kmまで続く。集団はマークス・ブルグハートらBMCレーシングが強力に牽引し、ジルベールの勝利のためのお膳立てを続ける。3回めのユイの坂に入る前の坂、コル・ド・ヴィレルブイエで2人が捕まった瞬間、トラヴィス・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)のアタックを皮切りに集団は急激に活性化する。

「ユイの壁」を登るプロトン
スピードが上がり数を減らす集団。アンディ・シュレク(ルクセンブルグ・レディオシャック・レオパード)がふるい落とされるものの優勝候補たちはいずれも前に残る。BMCレーシングの制御は崩壊しだし、アムステルゴールドレースで負傷したロドリゲス擁するカチューシャも集団前方に数を揃え、勢いを見せる。

集団はスピードを上げてポジションを争うように最後のユイの坂の上りへと突入する。
「ユイの壁」は長さ1300m、高低差121m、平均勾配9.3%、コーナー内側の最大勾配が26%に達する激しい登り。腰を上げて急勾配をこなす集団の前方にはジルベールが位置し、睨みをきかせる。ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール))はその後方につける。
しかしまだ頂上まで700mある早い段階で仕掛けて一気に差をつけたのはカルロス・アルベルト・ベタンクール・ゴメス(コロンビア、アージェードゥーゼル)。ジルベールらはこれを見送ったが、しかしベタンクールの勢いは衰えず、大きな差がついてしまう。逃げ切りの可能性がみえてくる。

ジルベールも早めに追走に入らざるを得ず、マークするライバルたちに対して不利な状況に。そしてラスト200mで鮮やかな加速を見せたのはダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)。ジルベールはラスト100mで失速してしまう。
ベタンクールを交わしてゴールに向かうモレーノ。有力選手の一角にリストアップされていたものの、驚きの勝利。両手を突き上げて歓喜するモレーノ。そしてカチューシャのジャージは連覇を達成した。

ベタンクールを追うフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
その後方では、セルジオ・ルイス・エナオ・モントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)がベタンクールを交わして2位に上がる。ベタンクールも粘りに粘り、コロンビア人のツー・スリーフィニッシュとなった。
4位にダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)、5位に好調のミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)、昨年覇者ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は6位に。
鮮やかなスパートを見せたダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
期待されたペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)は12位、そして優勝候補のジルベールは15位と、いずれもトップ10圏外に沈んだ。

軽量でパンチ力のあるクライマーのモレーノ。2011年ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージや2012年クリテリウム・ドーフィネ第2・7ステージの勝利などがあるが、これがキャリア最大の勝利と言える。2009年ジャパンカップにも来日し、2位となっているため日本のファンにもお馴染みの選手だ。(当時ケースデパーニュ所属。JC優勝者はクリス・アンケル・セレンセン)

キャリア最大の勝利を挙げたダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
優勝したモレーノのコメント
この勝利はとてもハッピーだ。フレーシュ・ワロンヌはその重要度からも自分向きのコースからももっとも好きなレースの一つ。最後の坂はとくに僕向きで、このレースに勝つことはずっと夢だったんだ。プリート(ロドリゲス)はアムステルゴールドレースでの落車の怪我の影響から今だに最好調じゃなかった。だからふたりで「お互いのレースをしよう」とあらかじめ話し合っていたんだ。

ラスト100mで失速し15位に沈んだフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
自分が年々進化していること、そしてカチューシャがますます強くなっていることの両方を証明できて嬉しいね。ロドリゲス、そして他のチームメイトをアシストすることも喜びなんだ。僕は彼の負うようなプレッシャーには勝てない。
ツール・ド・ロマンディではチームリーダーになるというチャンスがあるけれど、ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャではロドリゲスの総合のために喜んでアシストする。そして今日みたいなチャンスがあればものにしたいね。

15位に終わったフィリップ・ジルベールのコメント
速いレースだった。チームはレースのすべてをコントロール下において強さを誇示した。こんなとき、最後に勝てないのはとても残念だ。でも僕は挑戦したんだ。勝てなかったけれど、数パーセント足りなかっただけ。僕の調子は毎日良くなっている。これをリエージュに持ち越したいね。


フレーシュ・ワロンヌ2013 結果
1位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) 4h’52”33
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)+”3
3位 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)
4位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
5位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)+”8
7位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
8位 イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
9位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)
10位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)

2013年4月13日土曜日

アムステル・ゴールドレース2013レースプレビュー 新城幸也出場 ゴール地点変更のアムステルはサガンvsライバルの様相

4月14日、オランダ・リンブルグ地方で第48回アムステル・ゴールドレース(UCIワールドツアー)が開催される。ゴール地点がカウベルグ頂上の1.8km先に移動したことで、ますますペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)向きと言われるこの大会。日本からは好調な新城幸也(ユーロップカー)が出場する。

「1000のカーブ」と「34の登り」を含む251kmのアップダウンコース

アムステル・ゴールドレース2013コースマップ

いよいよアルデンヌ3連戦が始動する。アムステル・ゴールドレースを皮切りに、3日後の水曜日にフレーシュ・ワロンヌ、1週間後の日曜日にリエージュ~バストーニュ~リエージュが開催される。いずれも起伏に富んだコースレイアウトであり、活躍する選手も「北のクラシック」とは異なる。

オランダと聞いて思い描くのは、チューリップが咲き、風車が穏やかに回る平原だ。確かに国土の大半は標高0メートル、もしくはそれ以下。国名Nederland(英語でNetherlands)が「低地の国」を意味するほど、国土の大部分は起伏に乏しい。

いくつもの登りと下りを繰り返しながらカウベルグを目指す

しかしそんなオランダ最大のロードレースであるアムステル・ゴールドレースは、上りが勝負の鍵を握る起伏に富んだレースだ。オランダはオランダでも、レース開催地は同国南部の丘陵地帯。ベルギーとドイツに隣接したリンブルグ州を駆け巡る(プロが試走中に間違うほど!)複雑な周回コースが設定される。登場する短い登りの数は34カ所。251kmのコースはまさにアップダウンの連続だ。

2012年ロード世界選手権 独走でゴールに飛び込むフィリップ・ジルベール(ベルギー)

コースは全体的に道幅が狭く、「1000のカーブ」と呼ばれるほどコーナーが連続。アップダウンとワインディングを繰り返すため、ときに「ジェットコースター」と形容される。

これらの試練を“フレッシュな状態”で乗り越え、最後のカウベルグに全力をぶつけることが出来るかが勝負の分かれ道。一瞬の判断ミスが敗戦に繋がることもあり、アタックチャンスを感じ取る優れた嗅覚も問われる。

ちなみに、レース名がオランダの首都アムステルダムに由来すると勘違いしがちだが、その名前はメインスポンサーのアムステル社からきている。アムステル社はオランダを代表するビール会社。レース公式サイトを閲覧するためには年齢を記さなければならない。

注目したいのは、レース終盤の周回コースに変更が加えられたことだろう。合計30個の坂をこなした後、選手たちは最後の周回コースに突入する。この周回コースは2012年ロード世界選手権の周回コースと似通ったもので、カウベルグとグールヘンメルベルグ(世界選には登場せず)、ベメレルベルグの3つの坂を通過後、再びカウベルグに挑む。

合計4回通過することになるアムステル名物のカウベルグは、登坂距離1200m、高低差68m、平均勾配5.8%、最大勾配12%。昨年までこのカウベルグ頂上にゴールが置かれていたが、今年レース主催者は頂上の1.8km先にゴールを設置した。頂上通過後に平坦路があるレイアウトは2012年ロード世界選手権と共通だ。

アムステル・ゴールドレース2013コースプロフィール


登りとスプリントで他を圧倒するサガン 対抗出来るのは誰か?

ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)

2012年大会はカウベルグでのスプリント勝負に持ち込まれ、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)とペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)を破ったエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)が勝利した。

フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)

大会連覇が懸かったガスパロットはマキシム・イグリンスキー(カザフスタン)やヤコブ・フグルサング(デンマーク)らを従えての出場。しかしコースの変更によって連覇が難しくなったと打ち明ける。「ゴール地点が変更されたことで、これまでと全く違うスプリント勝負になる。ペーター・サガンのようにスプリント力のある選手はコース変更を歓迎していると思う。ペーター・サガンこそ優勝候補の筆頭。彼が一番強いことは間違いない」。

ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

ヘント~ウェベルヘムで優勝し、ロンド・ファン・フラーンデレンで2位に入ったサガンは、このアムステルに集中するために「シーズンの中で一番勝ちたいレース」というパリ~ルーベを欠場。完全にコンディションを合わせて来た。サガンのために設計された感もあるほど、アムステルのコースは彼向きだ。

サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

サガンはアルデンヌの前哨戦として知られるブラバンツ・ペイルで優勝。短い登りでパワーを誇示するとともに、スプリントで世界チャンピオンのフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)を下した。モレーノ・モゼール(イタリア)という心強い伴侶を得たサガンが、戦歴にクラシックのタイトルをもう一つ追加しようとしている。サガンが徹底マークによって身動きが取れない場合は、モゼールで勝利を狙うことも出来るだろう。

新城幸也(日本、ユーロップカー)

2012年ロード世界選手権のカウベルグで鋭いアタックを成功させてゴールまで独走したジルベールにとって、このアムステルは地元レースの一つ。国は違えど、ジルベールの出身地ベルギー・ワロン地方は国境を挟んだ目と鼻の先。ジルベールは2010年と2011年に優勝を果たしている。

ジルベールは世界選と同じシナリオを描きたいところだが、そのためにはサガンを登りで引き離す必要がある。フレフ・ヴァンアヴェルマート(ベルギー)らとともに先制攻撃を仕掛けてくるだろう。サガン擁するキャノンデールとジルベール擁するBMCを中心にレースは展開されるはずだ。

オランダ最大のレースだけに、オランダの3チームの士気は高い。ブランコプロサイクリングはツアー・ダウンアンダー覇者のトムイェルテ・スラグテル(オランダ)、ヴァカンソレイユ・DCMはブラバンツ・ペイル3位のビョルン・ルークマンス(ベルギー)、そしてアルゴス・シマノは同5位のサイモン・ゲシュケ(ドイツ)をエースに立てる。オランダ人選手ならびにオランダチームによるアムステル制覇は、2001年のエリック・デッケル(オランダ、ラボバンク)以来果たされていない。

スペインのカタルーニャ一周やバスク一周で活躍したコロンビアのナイロ・アレクサンダー・クインターナ・ロハス(モビスター)、セルジオ・ルイス・エナオ・モントーヤ(スカイプロサイクリング)、カルロス・アルベルト・ベタンクール・ゴメス(アージェードゥーゼル)や、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)らは登りでレースを動かしてくるはず。好調のサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)や2008年大会の覇者ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ジロ・デ・イタリアで連覇を狙うライダー・ヘジェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)らもカウベルグ決戦に加わるだろう。

日本からは新城幸也(ユーロップカー)が出場する。トマ・ヴォクレール(フランス)やダヴィデ・マラカルネ(イタリア)のアシストとして動くことになるだろう。ユキヤはアムステル出場後、フレーシュ・ワロンヌに出場せずイタリアのジロ・デル・トレンティーノに出場。リエージュ~バストーニュ~リエージュとツール・ド・ロマンディへの出場が控えている。